暴力団組長をめぐる虚偽診断書作成容疑事件で、心臓病の症状を実際より重く見せかける虚偽の意見書を作り大阪高検に提出したとして、京都府警は27日、民間大手「康生会・武田病院」(京都市下京区)の不整脈治療センター所長で医師の全栄和容疑者(61)=京都市左京区=ら3人を同容疑などで逮捕し、発表した。
ほかに逮捕されたのは、元武田病院職員の大西義彦(45)=大津市=と、暴力団組員の山田英志(48)=京都府宇治市=の両容疑者。
府警によると、全容疑者は武田病院で、2015年6月に恐喝事件で懲役8年の実刑が確定した山口組系暴力団組長の高山義友希受刑者(60)=今年2月に刑務所収容=の心臓病の診療を担当。16年2月8日に「重症心室性不整脈」との病名を記し、「今後も不整脈が頻発する」などと実際の症状より重篤に見せかけた虚偽の意見書を作り、大阪高検に提出した疑いがある。
捜査関係者によると、高山受刑者の知人である山田容疑者は意見書作成に際し、同受刑者が刑務所に収容されないよう取りはからうことを全と大西の両容疑者に依頼。府警が心電図などのデータを調べたところ、全容疑者が虚偽の意見書を作った疑いが強まったという。
府警は虚偽診断書の作成容疑で今年2月14日に腎臓病の治療を担当した府立医大付属病院などを家宅捜索し、翌15日には武田病院などを捜索していた。