愛知県競馬組合の議会は28日、名古屋市港区にある名古屋競馬場を、同県弥富市の関連施設「弥富トレーニングセンター」内へ移転する方針を決めた。新競馬場の基本設計費9400万円を盛り込んだ新年度予算案を承認した。早ければ2022年度から弥富で競馬事業を始める予定だ。
組合が議会に示した最終案では、移転の総事業費は94億円を見込む。今後の営業収入やセンター内の未利用地売却で捻出する方針だ。名古屋競馬の累積赤字は最大40億円近くに上ったが今年度までに12億円まで縮小し、未利用地売却で解消する見込み。
名古屋競馬場は1949年開所。組合は施設老朽化を理由に移転を検討していた。長年赤字経営だったが、インターネットによる馬券販売が好調で13年度以降は黒字が続いている。競馬場跡地は県と名古屋市が26年開催のアジア競技大会の選手村にする方針を示している。