1945年3月の東京の観測原簿。日ごとの気温の値がびっしり記入されている
100年前の気温も日にち別にわかります――。気象庁は28日、全国156地点で観測した1910~60年の日ごとの平均気温や最高・最低気温を同庁のホームページ(HP)で公開した。長期的な気候変動や気温の上昇傾向の分析や研究に役立ててもらうのが狙いという。
気象庁は戦前から、全国の気象台や測候所などで気圧や気温、湿度、降水量などを毎日観測している。ただこれまで、日別の値をHPで公開していたのは、一部の地域を除いて主に61年以降のデータだった。
同庁は約10年前から、気候変動の分析などのため、日々の観測値を職員が記録した「観測原簿」のデータを整理。2015年に降水量をデータベース化してHPで公開した。気温についても沖縄から北海道までの計156地点のデータを整理した。さかのぼる期間は1910年までを一つの区切りとした。
太平洋戦争があった41~45年のデータもあり、原爆が投下された日の広島や長崎の気温も残っている。気象庁のHP内の「過去の気象データ検索」(
http://www.data.jma.go.jp/obd/stats/etrn/index.php
)から閲覧できる。今後はさらに古いデータも整理し、公開していく予定という。(小川崇)