市議選の候補者(手前)の第一声を聞く支持者ら=9日午前、富山市内、高津守撮影
政務活動費の不正で14人が辞職した富山市議会で、任期満了に伴う市議選(定数38)が9日に告示され、58人が立候補を届け出た。昨夏から議会を揺るがし続けた政治とカネの問題は選挙戦にどう影響するのか。
「二度と間違いのないような議会改革をしていかねばならない」。9日朝、自民の現職候補者は第一声で政活費問題に触れたものの、演説で力を込めたのは、市内交通網の整備や高齢者の社会参加だった。
市議会では昨夏以降、白紙領収書に架空の印刷代を記入するなど不正が発覚。自民12人と民進系会派2人の計14人が辞職した。この現職は市政報告会で酒類を提供するなどし、政活費を一部返還したが辞職はしなかった。
問題発覚後、市議会は領収書のインターネット公開など政活費の運用を改めたことから、「けじめはつけた」と自民の市連幹部。民進の県連幹部も「選挙では未来に向けた政策を訴える」と政活費の問題からは距離を置く。
相次ぐ辞職で実施された昨年11月の補欠選挙では13人の新顔が当選した。議席を得た候補者らは引き続き政活費問題を取り上げ、支持を訴える。
補選で初の当選者を出した維新。現職候補は「半年足らずでは染みついた市議会の体質をぬぐい去ることはできなかった」と、議会改革への意欲を見せる。同様に初当選した諸派現職も「根本的な解決はまだ。改革の歩みを止めたら元に戻ってしまう」と主張する。
有権者の思いは様々だ。ある候…