引き揚げ後に撮影された旅客船セウォル号内部(韓国海洋水産省提供)
韓国南西部・珍島(チンド)沖で沈没し、修学旅行中の高校生ら295人が死亡し、9人が行方不明になった旅客船セウォル号が9日、木浦(モッポ)新港に陸揚げされた。2014年4月16日に沈没してから約3年で、一連の引き揚げ作業が完了した。今後は船体に残された行方不明者の捜索作業が本格化する。
セウォル号は今年3月25日に運搬船に引き揚げられた。運搬船は同31日に木浦新港に到着した。
韓国海洋水産省は8日、船体内部の写真を公開した。内部が激しく崩壊している様子がうかがえる。3年にわたって沈んでいたことから、柱などの強度も弱くなっているとされる。同省は、行方不明者が沈没時にいた場所を推定しており、こうした場所を中心に捜索が進むとみられる。
引き揚げ作業は、15年7月の国際競争入札で、中国交通運輸省の上海サルベージ局が担った。中国では成功をたたえる報道が相次いでおり、5日に運搬船が上海に戻ると国営新華社通信は「任務を滞りなく達成し、勝利して帰航した」との責任者の談話を伝えた。
水深44メートルの海底から全…