主要7カ国(G7)外相会合に出席するためイタリアを訪問中の岸田文雄外相は10日、ティラーソン米国務長官と会談した。米国がミサイル攻撃に踏み切ったシリア情勢をめぐり、化学兵器の拡散抑止に向けた連携を確認。北朝鮮の核・ミサイル問題では中国の役割が重要だとの認識で一致した。
会談はティラーソン氏の滞在先のホテルで約30分行われた。岸田氏は会談後、米側から「無実のシリア市民が多く死傷していることを受け、化学兵器が二度と使用されないようにするために(攻撃)行った」と説明があったと紹介。「化学兵器の拡散と使用を抑止するため、責任を果たそうとする米国の決意を支持する」と伝えたことを明らかにした。米側から日本の支持表明に謝意が示されたという。
また、軍事的挑発を繰り返す北朝鮮問題について、米中首脳会談の内容も踏まえ、中国がさらに大きな役割を果たすよう日米両国が働きかけていく方針を確認。日米韓の連携も重要との認識で一致した。
G7外相会合は10日、イタリア中部のルッカで2日間の日程で開幕する。岸田氏は「国際社会が直面する喫緊の課題、緊迫する地域情勢について忌憚(きたん)のない意見交換を行いたい。前議長かつ最古参の外相として議論をしっかりリードし、貢献していく」と述べた。(ビアレッジョ=笹川翔平)