自宅に設けられたレェ・ティ・ニャット・リンさんの祭壇を見つめる、ベトナムから日本に戻った父親のレェ・アイン・ハオさん=16日午前11時51分、千葉県松戸市、山本裕之撮影
千葉県我孫子市でベトナム国籍の小学3年レェ・ティ・ニャット・リンさん(当時9)の遺体が見つかった事件。容疑者(46)が14日に逮捕され、リンさんの両親が16日、再来日した。記者(33)はリンさんの自宅を訪れ、遺影が飾られた祭壇に手を合わさせてもらった。
【動画】リンさんの父「犯人に会って話したい」 成田空港に到着
この日、午前9時ごろから、リンさんの同級生ぐらいの子どもたちや近所の人が次々と、リンさん宅に入っていった。
記者が11時半過ぎ、インターホンを押すと「はい」と声がした。玄関のドアが開き、黒のワンピース姿でリンさんの弟(3)を抱いた母親のグエン・ティ・グエンさん(30)が迎えてくれた。「本当にやるせない事件で……」と声をかけると、悲しそうな表情でうなずいた。
玄関の左側にある部屋に設けられた祭壇にはリンさんがほほえむ遺影があり、周りにはイチゴやブドウが置かれ、たくさんの花が花瓶に入れられていた。父親のレェ・アイン・ハオさん(34)が祭壇のそばに立っていた。
「お線香をあげさせてもらえますか」と尋ねると、グエンさんが「はい」と手渡してくれた。お線香をあげて手を合わせ、一礼して終わると、ハオさんが「リンちゃんからです」と言って、湯飲みに入った水を差し出してくれた。
近所の人がお線香をあげるため、家の中に入ってきた。記者が入れ違いに玄関に戻ると、グエンさんが弟を抱いたまま、見送ってくれた。黙礼を交わし、リンさん宅を後にした。(西村奈緒美)