「1強」下における与野党の相関図
■(1強・第2部)パノプティコンの住人:2
「総理がめちゃくちゃ公明党に怒っている。とにかく総理の頭にあるのは憲法。だから維新の皆さん、よろしく頼みますよ」
森友質疑、首相からの電話 「国会の爆弾男」も質問封印
連載:「1強」
4日夜。長谷川栄一首相補佐官は、日本維新の会の足立康史衆院議員との酒席でこう伝えた。2人とも経済産業省出身。長谷川氏が14年先輩にあたる。
互いが仕える上司同士も親密だ。安倍晋三首相や菅義偉官房長官は、維新代表の松井一郎・大阪府知事や橋下徹・前大阪市長と定期的に会食している。
足立氏は国会審議で、たびたび民進党の議員席の側に体を向け、民進批判を繰り返してきた。この日は「民進はもう相手にする価値もない。これから攻めるのは共産党だ」と2人で意気投合したという。
翌5日午前、長谷川氏から足立氏にメールが届いた。「次の委員会では、東京都の豊洲問題を質問してほしい」
都議選を3カ月後に控え、自民と対決色を強める小池百合子都知事を追い込む質問を求める内容だ。
足立氏は自らが「ご下命」と呼ぶ官邸からの意向に沿い、6日の衆院農林水産委員会で質問した。
「移転が先延ばしになる間、豊…