男子フリーの演技を終えた羽生結弦=北村玲奈撮影
(21日、フィギュア世界国別対抗戦)
羽生結弦、またフリーの難易度上げる 200点超え1位
【特集】フィギュア世界国別対抗戦
試合後、羽生結弦と報道陣の主なやりとりは次の通り。
――演技を振り返って
「もうちょっとという気持ちと、今季課題だった4回転ループ(ジャンプ)をきれいに跳ぶことができたし、初めて試合で、4回転トーループ、ループ、サルコーをコンビネーションでやって、形としては何とか跳ぶことができたので、ある程度満足しています」
――(7位だった)昨日のショートプログラム(SP)の結果を受けてフリーに臨んだ気持ちは
「今回の試合はショート、フリー合計して競うものではないということを自分の中で言い聞かせていたけど、(3~4月の)世界選手権の時はショートが終わってトップと10点差、今回は20点差くらいあって、自分のパーソナルベストを更新するためには何点必要かなと思ったら笑えてきてしまって」
「みんなにはたくさん力をもらいっぱなしで今シーズンやってきて、自分のためにみんなの力を使わせて頂いたなという気持ちで、いま滑り終えています」
――後半に4回転を多く入れた
「形としては初めて後半に3回入ったので、それは自分にとってまずうれしいなと思います。あとは、4回転を後半に3回入れて、最後にトリプルアクセル(3回転半)やるという練習はやってなかったので、もっと体力つけなきゃなと思いました」
――演技後半の心境は
「今日は世界選手権のように、自分の中で挑戦する気持ちを強く持っていた。自分に課していたのは、後半のサルコーを決める。後半のトーループを2本決める。それが最終目標だった。後半は、世界選手権で自分が偶然入れたようなところ(心境)にコントロールして自分で入ろうとして、それができたと思う」
――4回転5回を終わった後の心境は
「実際には4回しか入っていませんが、5回入れようとして、後半に3回という目標は達成できたので、そういう意味ではうれしい気持ちはありました」
「5回構成にしようと思ったのは、ショートが終わってすごく悔しくて、昨日の夜3時、4時くらいまで寝むれなくて、イメトレばっかりしていた。こんな悔しいならもう1回、4回転やっちゃえよと思って決めました」
「実際、前半はサルコーがパンクして、スピンをやっている間に6個にしようかなと思ったけど、そこまでしたら、このプログラム自体がバラバラになって申し訳ないと思ったので、(トリプル)アクセルで終わりました」
――(2月の)四大陸選手権でもリカバリーで4回転を5本入れていたが、最初から構成に入れるのとは違うのか。
「気持ちとしてはあまり変わらないかもしれないけど、今回の収穫は後半に(4回転が)3本入ってること。四大陸は後半の1発目がパンク(1回転になること)してしまっているので。しかも、課題としたジャンプがパンクしてしまっているので、達成感が違うのかなと思う」
――後半3本を挑戦したことで、来季に入れていこうという思いは
「世界選手権を終わってみて、この構成で練習はしてみました。世界選手権のクオリティーで5本はさすがに難しかったですけど、でも、この時間のない中で、体力も落ちている中で、きれいに4回転を2本、何とか3連続ジャンプにつなげられたという意味では、1点でも2点でも少しでも多く稼ぎたいって自分の気持ちが乗っている時に、使える武器になるなと思いました」
――夜中にイメトレはどんなことを
「ショートの最初の(失敗した4回転)ループは目をつぶればいつでも思い返せるぐらいすごく脳裏にやきついていて。自分が見ていた光景も、自分がテレビに映っている時の光景も、ファンの方から見た光景も全部映っていて。それが出てくる度に目が覚めては寝られずっていう状態だった」
「でも、その悔しさがあったからこそ、そして、国別対抗戦だったからこそ、思い切った演技ができたんじゃないかなと感じました」
――来季も4回転5本を考えているのか
「そこはまだ考えなくてはいけないなと思っているところです。今日間違いなく言えるのは、本当に前半で跳んだかのような4回転―3回転と4回転トーループと、それを連続で決めることができて、それは間違いなく自分のジャンプらしいジャンプだったと思います」