黒い煙が絶え間なく入り口や隙間から出ていたヒットパレードクラブ=23日午前8時41分、大分県別府市元町、加藤勝利撮影
23日午前6時15分ごろ、大分県別府市元町のビル付近で、「火災信号を受信した」という警備会社からの119番通報があった。市消防本部と県警によると、ビル1階にはキャバレーだった建物を改装して1988年にオープンしたライブハウス「音楽博物館ヒットパレードクラブ」が入っている。火事は約6時間半後の午後0時45分ごろに消えた。客などはおらず、店員も無事という。
消防によると、このビルは地上4階、地下1階建てで、延べ床面積は約1722平方メートル。ビルの名称は「光ビル」で、ヒットパレードクラブ以外の店舗は入っていない。
現場付近は、古い住宅と飲食店などが混在する温泉地・別府の歓楽街の一角。ヒットパレードクラブの愛称は「ヒッパレ」。1950~60年代のアメリカンポップスを中心にした生演奏が人気で、すぐ近くの竹瓦温泉などとともに、別府の代表的な観光スポットになっている。
クラブ周辺は店舗などが密集し、延焼の恐れがあるとして「準防火地域」に指定されていた。
火災現場から約150メートル南の同市楠町では今年2月、住宅密集地で4棟が全焼して3人が死亡、14世帯22人が被災した火災が起きている。(加藤勝利、平塚学)