広告大手の電通が社員に違法な長時間労働をさせていた労働基準法違反事件で、厚生労働省は25日、長時間労働で自殺した高橋まつりさん(当時24)が在籍したインターネット広告部門など本社の9部局12人の社員が残業時間を過少申告していたと発表した。関西(大阪市)、中部(名古屋市)、京都(京都市)の3支社の社員3人と法人としての電通も書類送検した。
検察は勤務の過少申告が電通全体に広がっていたとみて、法人としての電通を労働基準法違反(時間外労働)容疑で立件する方針で、詰めの捜査を進める。一方、厚労省は本社の労務担当役員の刑事責任についても検討したが、個別の長時間労働の認識を裏付ける証拠が得られなかったとして、書類送検を見送った。
厚労省によると、この日の送検の容疑は、3支社の社員3人が2015~16年、計5人の部下に対し、計22回にわたって労使協定で決めた1日あたりの残業時間の上限(5時間半)を最大で6時間超えて働かせた疑いがあるとしている。
また、高橋さんがいた部局を含…