桔梗信玄餅の包装体験もできる=山梨県笛吹市の桔梗屋
きな粉をまぶしたお餅に黒蜜をかける山梨の銘菓「桔梗(ききょう)信玄餅」。本社工場を訪れると、あっという間に製品ができあがる様子に目が釘付けになった。
案内役の半田隼斗さん(26)によると、年中無休で一日8トンのお餅を作り、10万個の桔梗信玄餅を生産する。生産ラインは機械化されている部分もあるが、ビニールの風呂敷で個別に包み、結ぶのはスタッフの手だ。「手作業がうちのこだわりで、愛される理由。驚かれる方も多いです」と半田さん。
しかもスタッフの手の動きが速い。1個を包むのにわずか6秒の職人技だ。記者も工場内の「包装体験」のコーナーで挑戦したが、とても及ばなかった。工場では時期に応じて、きんつばやカステラなどの製造工程も見られるという。
年間の見学者は約161万人。1990年に始まった工場見学ツアーは、多いときで1回200人が参加する。桔梗信玄餅を袋に詰める「お菓子の詰め放題」は、開始直後に完売するほど盛況だ。
「お菓子と食の桔梗信玄餅工場テーマパーク」と名付けられた約1万平方メートルの敷地とその周辺には、お土産店やレストラン、自社コンビニ、アイス工房、「餅もちの社」などもある。形の崩れた菓子などを通常の3割引きから半額以下で購入でき、ほうとうやワインも手に入る。
広報担当の小林美保さんは「ここに来ると、山梨のおいしいものを全部楽しめます」と話す。(黒石直樹)
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山梨県笛吹市一宮町坪井1928の「桔梗屋」(0553・47・3700)。見学ツアーの受け付けは午前9時~午後4時。混雑時は案内役がつかず自由見学になる場合も。予約不要で入場無料。年中無休。駐車場あり。桔梗信玄餅の包装体験は1人390円(税込み)。