特殊詐欺を警戒していた大阪府警の30代の男性巡査長が、銀行の現金自動出入機(ATM)へお金を振り込みに来た70代の女性に声をかけ、詐欺犯と実際に電話で会話したのに、女性が結果的に現金約100万円を振り込んでだまし取られる被害に遭った。府警は女性に謝罪した。
捜査関係者によると、1月、大阪府富田林市のATMの前で、富田林署の巡査長が女性に声をかけ、携帯電話のかけ方を聞かれて教えた。その後、女性は通話しながらATMを操作。巡査長が不審に思い電話を代わったが、相手は銀行員を名乗り「操作方法を教えている」と話したため詐欺事件とは気づかなかったという。再び声をかけると、女性は還付金名目ですでに現金を振り込んだ後だった。
府警は特殊詐欺事件の増加を受け、ATM前での警戒を強化しており、今年は3月末時点で104件の被害を防いでいる。特殊詐欺対策室は「結果的に被害を防止出来ず残念。今後の教訓にしたい」としている。