安全保障関連法に基づき、平時から自衛隊が米軍の艦船などを守る「武器等防護」の初めての任務が3日、終了した。1日から米補給艦を守りながら航行していた海上自衛隊の護衛艦「いずも」に加え、3日午前からは別の海自護衛艦「さざなみ」も加わって2隻で「武器等防護」を実施したことも、政府関係者が明らかにした。
防衛省は3日、「1~3日にかけて、いずもとさざなみが米補給艦と共同訓練を実施した」と発表したが、2隻が「武器等防護」を実施したかについては「事柄の性質上、回答を差し控える」としている。
政府関係者によると、いずもは1日に横須賀基地(神奈川県)を出て房総半島沖周辺で米海軍の貨物弾薬補給艦「リチャード・E・バード」と合流。周辺を警戒しながら四国沖へ向かっていた。一方、さざなみは2日午前に呉基地(広島県)を出港し、豊後水道を南下して太平洋に出た後、3日に四国沖でいずもと合流。2隻は補給艦を護衛しながら航行したという。
この間、海自護衛艦の艦載ヘリコプターを補給艦に着艦させ、海自艦が補給艦から燃料の補給を受ける手順を確認するなどの訓練を実施したという。
補給艦は今後、日本近海で北朝鮮による弾道ミサイルの発射などを警戒している米太平洋艦隊の艦艇に補給する見通し。日本海に展開中の米原子力空母カールビンソンの艦隊に補給する可能性もあるという。
2隻の護衛艦は3日午後に米補給艦と離れ、15日にシンガポールで開かれる国際観艦式へ向かい始めた。(土居貴輝)