経団連の榊原定征会長は8日の記者会見で、安倍晋三首相が2020年に改正憲法の施行を目指す方針を明言したことについて、「政治、経済、安全保障情勢ががらりと変わってきている。(改憲の)方向性を出したことは非常に意義あることだ」と述べ、支持する考えを示した。
憲法改正「2020年に施行したい」 首相がメッセージ
自らが委員長を務める総合政策特別委員会を近く発足させ、経団連でも論点整理や議論を重ねることを明らかにした。年末までに具体的な提言をまとめる。
焦点の憲法9条について榊原氏は、「平和憲法の精神、9条の精神は継続すべきだ。その上で、自衛隊の存在意義は明確にすべきだと思う」と述べた。
経団連は05年1月に憲法改正をめぐる意見書を発表。9条2項に自衛隊の保持を明確に明記し、集団的自衛権についても行使の根拠を明示すべきだと主張している。ただ、榊原氏は「具体的なことは白紙だ」とも述べ、どう明記するかは「(今後の)議論の対象だ」と明言を避けた。安倍政権には「憲法論議も大事だが、経済最優先という大きな方向性の中で扱ってほしい」と注文した。(山口博敬)