パリで7日夕、敗北を認める演説の後、支持者と抱き合う右翼・国民戦線(FN)のマリーヌ・ルペン氏(中央)=喜田尚撮影
国民戦線(FN)のマリーヌ・ルペン氏は7日夜、敗北したにもかかわらず、支持者に「歴史的、圧倒的な成果だ」と話した。決選投票では得票数が第1回投票より300万票増えた。FNのブリオワ臨時党首は「この結果は決して失敗ではない」と胸を張る。
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FNは、今回の選挙で政界の構図が変わったとする。政権を争ってきた2大政党が初めてそろって決選投票に進めなかった。幹部らは「ルペン氏は大統領にはなれなかったが、確実に野党の代表になった」(地域圏議会議員のフィリップ・バルドン氏)と強調する。
だが決選投票は、FNの限界も見せつけた。大統領選でも、小選挙区制の総選挙でも、他の政党がFN包囲網をつくる。「過半数の壁」を崩せない。
FNを含め、欧州で「自国第一主義」を掲げる政党の躍進が始まったのは、緊縮財政への批判が噴き出した2014年の欧州議会選からだ。昨年のオーストリア大統領選も、フランスと同様に2大政党が決選投票に残れず、右翼・自由党が当選まであと一歩だった。
ただトランプ氏が勝利した昨年…