トランプ氏陣営とロシアを巡る動き
トランプ米大統領が突然、捜査機関トップを解任した。大統領選中の米連邦捜査局(FBI)の対応のまずさを理由にするが、なぜ政権発足から4カ月近く経つ今なのか疑問が残る。FBIは、ロシアによる大統領選介入問題とトランプ氏陣営の関係を捜査中。民主党などは、ニクソン元大統領が特別検察官を解任した問題になぞらえ、「第2のウォーターゲート事件」と批判を強めている。
FBI長官解任、捜査妨害の指摘も ロシア疑惑の調査中
トランプ氏は10日朝、自身のツイッターで、FBIのコミー長官を解任したことについて「ずっとましな仕事をする誰かがコミー氏の後任になる。FBIの精神と威信を取り戻すだろう」と語った。
解任を提言したジェフ・セッションズ司法長官とロッド・ローゼンスタイン司法副長官の手紙などによると、解任の理由は、昨年の大統領選で戦った民主党のクリントン元国務長官が長官在任中に私用メールアドレスを使っていた問題だ。
コミー氏が大統領選中、権限は司法省にあるのに、クリントン氏が訴追に相当しないという捜査結果を発表した点を問題視。捜査の再開を公表したことなども「誤り」と非難した。
確かにコミー氏は大統領選の波乱要因だった。投票日が11日後に迫る中、クリントン氏の私用メール問題で再捜査を開始したことを明かした。トランプ氏には追い風となり、当時、コミー氏の行動を「いい仕事だ」と称賛した。
投開票日の2日前には、再捜査の結果、「結論は変わらない」として訴追に相当しないと表明。今度は共和党が反発した。
ただ、トランプ氏は今年1月に…