福岡空港国際線ターミナルで押収された現金の写真パネル=11日、福岡市博多区の福岡空港税関支署
韓国籍の男4人が7億円超の現金を福岡市の福岡空港から国外へ持ち出そうとしたとされる事件で、門司税関福岡空港税関支署は11日、4人を関税法違反(無許可輸出未遂など)の疑いで福岡地検に告発した。現金の密輸を巡る告発は全国の税関で初めてという。
男4人を関税法違反容疑で逮捕 現金強奪は関与否定
4人は同容疑で福岡県警に逮捕されており、地検は勾留期限の12日に起訴するかを決めるとみられる。
男らの身柄が確保された4月20日には、福岡・天神で約3億8千万円が強奪される事件が起きており、県警は両事件に関連があるかどうか慎重に調べている。
支署によると、告発したのは、いずれも韓国籍で住所、職業不詳のパク・ジェヨン(36)▽ハ・ソンジン(31)▽イ・ヒョンウ(34)▽ビョン・ソンフン(35)の各容疑者。福岡空港国際線ターミナルで4月20日、計7億3522万円をキャリーバッグに隠し、無許可で香港に輸出しようとした疑いがある。関税法は100万円を超える現金を無申告で国外へ持ち出すことを禁じている。支署は4人の認否を明らかにしていない。
4人は支署などの調べに、4月19日に韓国から関西空港(大阪府)に到着し、新幹線で福岡に来たと説明。現金は来日後に入手したという。いずれも日本への渡航歴があり、一部は「過去に100万円超の現金を申告して持ち出した」と話しているという。
この4人に現金を運ばせたと名乗る韓国人の男性は、朝日新聞の取材に「現金は高級車の売買で日本人男性から預かったもの」と話し、天神の強奪事件との関連を否定している。(一條優太)