金正男氏(左)は殺害される4日前の2月9日、マレーシア北部のリゾート地・ランカウイ島のホテルで米国籍の男性(右上)と接触していた=関係者提供
北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)・朝鮮労働党委員長の異母兄、金正男(キムジョンナム)氏がマレーシアで殺害された事件で、正男氏が殺害前に米情報機関とつながりがあると指摘される米国人と接触していたことが、マレーシアの捜査幹部らへの取材でわかった。捜査当局は、こうした行動が殺害の引き金の一つになった可能性があるとみている。
特集:金正男氏殺害
捜査幹部や正男氏の知人によると、正男氏は2月6日午後、家族が暮らすマカオから1人でマレーシアの首都クアラルンプールを訪れた。監視カメラの映像によると、荷物は黒いバッグ一つだった。
8日には周囲に行く先を告げぬまま、同国北部のリゾート地ランカウイ島に移動。ホテルの監視カメラ映像によると、9日にホテル内で男性と落ち合った。
捜査幹部によると、男性はバンコクを拠点にする中年のコリア系米国人。マレーシア捜査当局が米情報機関とつながりがあるとみて入国のたびに監視してきた人物で、正男氏と同じ6日にマレーシア入りしていた。正男氏は男性と過去にも同国で何度か会っていたという。
正男氏と男性は9日午後1時ご…