サーバーがあったアパートからパソコンなどを押収する千葉県警の捜査員=2016年10月31日、埼玉県戸田市喜沢1丁目、川嶋かえ撮影
無届けでインターネットのサーバーを運営したとして、千葉、山梨、和歌山、福岡など6県警の合同捜査本部は18日午前、埼玉県吉川市の中国籍の留学生リ・ソウ容疑者(26)を電気通信事業法違反の疑いで逮捕し、発表した。捜査本部は、発信元の匿名性を高める「中継サーバー」として悪用され、不正アクセスや不正送金の温床になっていた疑いがあるとみて調べている。
発表などによると、リ容疑者は他の者と共謀し、昨年10月までの約7カ月間、埼玉県戸田市の住宅で、総務相に届け出ずに約180のサーバーを運営した疑いがある。捜査本部は昨年10月に部屋を捜索。押収したパソコン5台の解析で、利用者の大半が中国からアクセスしていたことが判明した。アクセス数は1万件を超えていたという。
昨年、千葉県内で起きたネットバンキングの不正送金事件に、リ容疑者が運営していたサーバーの一つが使われていたことが判明。他県警が調べていた別の事件でも使用されていたため、6県警が合同で捜査していた。
中継サーバーは、ネット接続を中継するコンピューター。発信元を隠すために利用されることが多く、様々なサイバー犯罪に悪用されると指摘されている。