退任するフジテレビの亀山千広社長=東京・台場のフジテレビ
退任が決まったフジテレビの亀山千広社長(60)が26日、最後の定例会見を開き、任期の4年間を振り返った。プロデューサー時代に数々のヒット作を生んだ手腕に立て直しが期待されたが、最優先課題の視聴率回復を果たせず、「責任を感じている」と語った。
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視聴率トップから遠のいた2013年、社長に就任。17年3月期の営業利益は40億円で就任前と比べ200億円近く減った。
「視聴率回復の道筋を作れないまま業績が落ち込み、責任を感じている。社員の能力を最大限発揮できる環境を作れなかった」
「ロングバケーション」(1996年)、「踊る大捜査線」(97年)などを手がけた亀山氏。得意分野を生かし、「短期的にドラマで話題を、中期的にバラエティーで視聴習慣を作り、長期的に報道で信頼を勝ち取ろうと考えてきた」と語った。「ドラマでは大ヒット作を残せなかったことは悔いが残る」。「月9」といわれる月曜夜9時のドラマ枠では、平均視聴率で10%を切る状態が続いた。
視聴率が落ち込む中、制作費の削減に取り組んだ。業績が上向かなかった訳を問われ、「費用の削減を強いてしまった。ムードを停滞させてしまったのかな」と述べた。
32年間続いた「笑っていいとも!」終了にも言及。「円満にグランドフィナーレを迎えた」と振り返り、後継番組が「いいとも」終了時の視聴率に近づいていることを指摘し、「続けていく力を持てる方が、終わることよりも意味がある」と胸を張った。
亀山氏は6月28日の株主総会を経て退任し、後任にはビーエスフジの宮内正喜社長(73)が就任する。(滝沢文那)