事件発生から2カ月。女児が通っていた小学校の児童は保護者に付き添われて登校していた=25日、千葉県松戸市六実、川嶋かえ撮影
千葉県松戸市の市立小学校3年でベトナム国籍の女児(当時9)が遺体で見つかってから26日で2カ月になる。地域には日常が戻りつつあるが、事件は児童をはじめ、大人の心にも影を落としている。
特集:千葉・小3女児殺害
■PTSDの可能性、指摘
「今度遊ぼうね」
クラスが隣だった上級生は女児とのそんな約束を果たせなかった悔しさに苦しむ。母親は「1人でトイレに行けなくなり、外出しなくなった時もあった」。市教育委員会が同小に派遣したスクールカウンセラー(SC)にはPTSD(心的外傷後ストレス障害)の可能性を指摘された。事件後1カ月は母親が登校に付き添ったという。
事件後、住民らは防犯活動を強化し、地域には取材が殺到した。市は「子どもたちは精神的に大変大きなショックを受けている」として、児童の取材を控えるようマスコミに要請した。
同級生の男児の父親は「(息子は)しばらく外に出られず、ストレスがたまっていた」と振り返る。
児童の見守りを率先していた人物の逮捕も、地域に衝撃を与えた。同小では今も登校時間に住民らが通学路に立っているが、30代の主婦は「見守りの人たちを全面的に信頼していいのか」と不安を漏らす。
市教委は3月27日から同小に臨床心理士の資格を持つSCの派遣を始めた。親や教員も対象だ。5月22日時点の相談件数は保護者6件、教職員4件、児童2件の計12件。保護者からは「子どもが夜泣きする」「登校させるのが怖い」、教職員からは「児童にどんな言葉をかけたらいいか」といった相談が寄せられたという。