記者会見で質問に答える高倉監督
サッカー日本女子代表(なでしこジャパン)の欧州遠征メンバーが、29日に発表された。世代交代を加速させながらチームづくりを進めているなでしこジャパンは、7月に開幕する欧州選手権を控えたオランダ、ベルギー代表と対戦する予定だ。高倉麻子監督は「相手は欧州選手権に向けてチームができあがっている状態なので、戦えるのが楽しみ」と話し、選手に「賢さ」を求める考えを示している。「サッカーに年齢は関係ない。代表でやっていく覚悟を持って、チームを引っ張っていってほしい」と若手の成長をさらに促している。
なでしこジャパン、欧州遠征の23選手を発表
リオデジャネイロ五輪の出場権を逃したあとに就任した高倉監督は、積極的に新しいメンバーを試してきた。しかし、発表されたメンバーに初選出選手はなし。4月の国際親善試合、コスタリカ戦とほぼ同じ顔ぶれとなった。
高倉監督はこれまで通り、「攻守に積極的にアクションを起こしていくサッカー」を掲げているが、代表発表記者会見の席で「その上で賢く戦っていきたい」と話した。
あえて触れた「賢さ」の意味合いを問われると、「イメージの中で二つのことを考えている」と言葉を加えた。
最初に示したのは、「相手の読みを外すこと」。試合の中で「真っ向勝負をしなくてもいいときに無理せずに相手を外す。そのためには相手を観察する力が必要になるし、コンビネーションがなければできない。それが賢くという表現です」。
二つ目は、「勝ちきるゲームをするための賢さ」。「いま、どのプレーを選択すべきかを考えないといけない。新しい選手や若い選手はそこが整理されていない部分が多い」と説明を加えた。
現役時代から高い技術に加え、クレバーさも持ち合わせていた高倉監督。チームに不足している部分として、「賢さ」という言葉で試合を読む力を指摘した。
また、チームづくりについては、「30人前後でチームを作っていく中で競争してほしい」と、今後は選手をある程度絞り込みながら次の段階に進む考えも示した。(潮智史)