男子シングルス準々決勝で敗れた張本
卓球の世界選手権個人戦は4日、ドイツ・デュッセルドルフで第7日があり、男子シングルス準々決勝で、史上最年少の13歳で8強入りした張本智和(エリートアカデミー)が世界ランク3位の許昕(中)に1―4で敗れた。リオデジャネイロ五輪団体銀メダルの丹羽孝希(スヴェンソン)も同2位の樊振東(中)に1―4で敗れた。男子ダブルス決勝で大島祐哉(木下グループ)、森薗政崇(明大)組は樊振東、許昕組(中)に1―4で敗れ、この種目で日本勢として48年ぶりの銀メダルとなった。5日の最終日は女子ダブルス準決勝に、ともに16歳の伊藤美誠(スターツ)、早田ひな(福岡・希望が丘高)組が登場する。
史上最年少の13歳でのベスト8。世界選手権では3位決定戦がなく、あと1勝すればメダルだった。「記録よりも1枚のメダルが欲しかった」。張本は満足していなかった。
世界ランク3位の許昕に警戒されていた。得意なバックハンドを使わせてもらえず、苦手なフォアハンドを攻められた。しかし、「思い切ってフォアを振ろうと思った」。すると、カウンターが入るようになった。サーブからの速攻も決まり出し、0―1で迎えた第2ゲームは8―6から3連続得点して奪い返した。
技術がものをいい、相手の力を利用して打ち返せるバックに比べ、全身の力を使って打つフォアは、非力な張本にとっての課題だった。そこで年明けから、両親の母国、中国で短期間の合宿を重ね、体力面を鍛えてきた。その成果を、初の世界選手権で出せた。
第3ゲーム以降は厳しいコースにサーブを決められ、力の差を見せつけられた。それでも、「中国選手を相手にフォアで点が取れたことは自信になった」と言う。「あと2、3年もすれば、(中国勢にも)勝てないことはない」。3年後、17歳で迎える東京五輪への大きなステップになった。(前田大輔)