市民投票などで選ばれた作品。ほとんどが左上にも図柄が入っている
来年秋の自動車用の地方版図柄入りナンバープレート導入に向け、愛知県春日井市が公募したデザインの候補作のほとんどが、国の基準を満たしていなかった。締め切り後に国の基準が正式に決まったためで、担当者が頭を抱えている。
市は1~2月にデザイン案を募集。応募作189点から市民投票などで候補作計18点を選出。5月19日、有識者らでつくる選考委員会が「寄付金あり」「なし」用のデザインを選ぶため順位を付けた。
ところが審査直前、国土交通省の「導入要綱」が、ナンバー左上の地域名の横は図柄を入れられない、と定めていることを市の担当者が把握した。市が募集時に通知できなかったため、候補作のほとんどは左上にも図柄が入っていた。また要綱は、寄付金の有無は一つの図柄をフルカラーとモノトーンで区別する、としていることも分かった。
国交省によると、要綱を正式に示したのは5月30日。それ以前も、問い合わせがあった自治体には知らせていたという。
市は、いったん順位は決めたものの、今月1日付で予定していた審査結果公表を見送った。
市は今後、優秀作のデザイン変更も含めて対応を検討する。担当者は「入賞者とはデザインの変更ができるか相談し、国交省とは左上の部分がどの程度使えないのかを詰める。結果発表の時期はわからない」と話している。(本間久志)