インタビューに応じる南海電鉄の山中諄会長=大阪市浪速区
南海電気鉄道の山中諄(まこと)会長(74)は「なにわ筋線」について、「梅田への乗り入れは南海として悲願。将来に期待を抱かせる路線だ」と語った。今月下旬の株主総会で会長を退いて取締役相談役に就くのを前に、朝日新聞のインタビューに答えた。
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南海の拠点・難波と関西空港との間を結ぶ空港線の旅客収入は、2016年度に90億円と過去最高を記録した。ただ沿線人口は減りつつあり、関空特急「ラピート」はJR西日本の特急「はるか」と競合する。なにわ筋線ができることで、大阪の都心の梅田地区とつながり、周辺の乗客が取り込めるため、「将来にわたって会社の利益を支える屋台骨になる」と述べた。
さらに、阪急電鉄の乗り入れについては「阪急が加わることは、関空アクセスの選択肢が広がる意味で歓迎すべきこと」と話した。
01年に社長に就任した山中氏は、07年から会長兼最高経営責任者(CEO)となり、15年から会長を務める。難波駅周辺の再開発事業で大型商業施設「なんばパークス」を全面開業させるなど、鉄道以外での収益力強化や不採算事業の撤退などを進めた。今後は、NEXCO西日本(西日本高速道路)会長など対外活動に軸足を移す。(辻森尚仁、中島嘉克)