大分県の公立中学校で2014年、校内で倒れた後に死亡した女性教諭(当時46)について、地方公務員災害補償基金大分県支部が、民間の労災にあたる公務災害と認定した。県教育委員会などへの取材でわかった。長時間の時間外労働が原因として、遺族が公務災害を申請していた。
教員の長時間労働、深刻 中学の6割「過労死ライン」
県教委や同支部によると、教諭の勤務先は当時、臨時講師を含めて教員10人の小規模な中学校だった。教諭は国語を担当していたほか、学年主任とバレーボール部の顧問を務めていた。14年7月に授業中に頭痛を訴えた後に校内で意識を失って搬送され、同年9月に脳出血で死亡した。
教諭が倒れる前の4~6月の時間外労働は、部活の指導や事務作業で月110時間以上だった。労災認定基準で使われる時間外労働の「過労死ライン」は、1カ月100時間とされる。
県支部は今月12日付で公務災害に認定。具体的な理由は明らかにしていないが、「業務と死亡の因果関係が認められた」とする。教諭の勤務先を管轄する教育委員会は、長時間の時間外労働があったことを受けて「残業を減らし、部活も週2日は休むことを徹底する」とコメントしている。
県教職員組合によると、教諭は生前、自身の勤務時間をパソコンに記録し、同僚に「何かあったらパソコンを見て」と伝えていたという。県教組は「過労死と認められたと受け止めている。働き方を見直す運動に全力で取り組む」としている。