広島・新井貴浩
(11日、プロ野球・広島14―1阪神)
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広島が待っていた男がやっと帰ってきた。左ふくらはぎ痛で開幕前に離脱したチーム最年長の新井、41歳だ。精神的支柱が「5番・一塁」として戦列に戻ったとたん、コイ打線が息を吹き返した。
一回、菊池が阪神・能見の高め真っすぐを「集中していきました」と左中間席へ運び、火をつけた。バティスタが低めに決まったフォークをゴルフのスイングのようにすくいあげ、やはり左中間席にぶち込んだ。さらに38歳の石原。「良い流れで回ってきた」と自身999安打目となる2ランをこれまた左中間席へ放つなど、一挙6点を挙げた。
そして二回2死二塁で回った新井の2打席目だ。「得点圏だったので積極的にいった。みんながどんどん点をとってくれたから、打たせてもらった感じ」。甘く入ったチェンジアップを左中間フェンス直撃の適時二塁打にし、塁上でうなずいた。
3連覇を狙うチームは「新井さんが帰ってきた時にいい位置にいられるように」との一心で首位を張ってきた。
ただ直近2試合は九回2死から同点に追いつかれ、延長の末の敗戦と引き分け。この日2本塁打の菊池は「台風の目、新井さんが帰ってきたので何かが起こると思っていました」とにやり。当の本人は自身の効果について「僕には分からない」と笑いとばしたが、柱が戻った打線は今季最多の5本塁打で14得点。結果がその存在の大きさを十分に示した。(藤田絢子)
○緒方監督(広) 「新井が戻ってきて打線が活気づいた」
○石原(広) 通算1千安打。「打ててよかった。まわりから『まだっすか』と言われても焦りはなかった」