安倍晋三首相(自民党総裁)は24日、神戸市で講演し、自民党の憲法改正原案について「臨時国会が終わる前に衆参の憲法審査会に提出したい」と語り、年内の国会提出を目指す考えを表明した。首相は改憲原案を年内にとりまとめる意向を示していたが、今秋に想定する臨時国会に提出する考えを示したのは初めて。
産経新聞の主張に賛同する任意団体「神戸『正論』懇話会」主催の講演会で語った。野党4党などは学校法人「加計学園」を巡る問題の真相解明が必要だとして、憲法53条に基づく臨時国会の召集を求めている。だが、自民党は早期の召集には否定的で、首相も秋の召集を念頭に置いているとみられる。
首相は「自民党の憲法改正推進本部で改正案の検討を急ぐ。憲法施行70年の節目である本年中に、我が党が先頭に立って歴史的な一歩を踏み出す決意だ」と述べた。年内に憲法改正案の審議を始めて国会発議できる環境を早く整え、憲法改正の国民投票や、国民投票と同日実施も想定する衆院選の時期について選択肢を増やす狙いもありそうだ。
自民党の改正原案の焦点となる…