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「命あるうちに無罪を」 90歳の再審請求、28日判断

作者:佚名  来源:asahi.com   更新:2017-6-26 10:11:02  点击:  切换到繁體中文

 

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90歳の誕生日会で花束をもらう原口さん(中央)。長女の西京子さん(左)や支援者ら17人が駆けつけ、原口さんは「ありがとう」と涙を浮かべたという(10日、鹿児島県志布志市、弁護団提供)


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鹿児島県大崎町で1979年に男性の遺体が見つかった「大崎事件」で、殺人などの罪で服役した原口アヤ子さん(90)の第3次再審請求について、鹿児島地裁(冨田敦史裁判長)が28日、再審を認めるかどうかの判断を示す。事件から約38年。再審の扉は開かれるのか。


「あたいはやっちょらん」。原口さんは一貫して無実を訴えてきた。90年に出所し、95年に地裁に再審を請求。一度は開始決定が出たが福岡高裁宮崎支部が取り消した。2度目の請求は2013年に地裁が棄却、即時抗告も棄却され、第3次請求を15年に申し立てた。第2次請求からは元夫(故人)の遺族も請求している。


第3次請求で弁護団は、法医学と供述心理学の鑑定書を新しい証拠として提出した。


確定判決では、男性の死因を「頸部(けいぶ)圧迫による窒息死」と認定し、共犯とされる親族の自白を根拠に「タオルによる絞殺」とした。


弁護側は解剖時の写真を分析し「死斑がなく、窒息死の所見は認められない」と主張。男性が事件前に近所の側溝で倒れていたことから「自転車事故による出血性ショック死の可能性が高い」と訴える。


親族らの供述の信用性については、判決で有罪の根拠となった義妹の「殺してきたと聞いた」「共謀するところを見た」という目撃証言を心理学者が分析。「目撃」した前後の行動が不自然で「体験していないことを話した可能性が高い」と指摘した。


検察側は死因について「出血性ショックの根拠がなく、内容は不合理で信用性に乏しい」と反論。心理学者の分析については「一つの可能性を提示するものにとどまる」としている。


第3次請求審では検察側が新たに捜査資料のネガフィルム64本を開示。現像された写真は計1700枚を超える。


弁護側は写真の分析から「自転車事故の可能性もあるのに、死体発見当初から殺人事件と決めつけて捜査している」「近隣住民の供述と再現写真に矛盾がある」などと指摘する。


原口さんは今月15日、90歳の誕生日を迎えた。弁護団は「命あるうちに無罪を勝ち取りたい」と話す。(野崎智也)



〈大崎事件〉 鹿児島県大崎町で1979年10月、農業の男性(当時42)の遺体が自宅横の牛小屋で発見された。物的証拠が乏しい中、原口アヤ子さんと当時の夫、義弟の3人が殺人と死体遺棄容疑で、おいが死体遺棄容疑で逮捕された。原口さんだけが一貫して無罪を訴えたが、元夫らが「(原口さんに)犯行を持ちかけられた」と証言し、原口さんは81年に懲役10年の判決が確定。親族3人(いずれも故人)も有罪判決を受けた。3人には軽い知的障害があったとされる。




 

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