三菱UFJフィナンシャル・グループの株主総会の受付には、「お土産のご用意はございません」との看板が出されていた=29日午前、東京都千代田区、山本裕之撮影
3月期決算企業の株主総会が29日、ピークを迎えた。集中率は年々低下し、今年は初めて3割を切った。ただ、出席する株主は減る傾向だ。総会の定番だったお土産を廃止する企業が増えたことなども原因にありそうだ。
東京・九段下の日本武道館で開かれた三菱UFJフィナンシャル・グループ(FG)の総会。最寄り駅周辺には道案内の看板を持つ担当者が並び、会場に急ぐ株主の姿が目立った。
東京証券取引所によると、29日に総会を開く企業は3月期決算企業2348社のうち、29・6%の696社。特定の1日への集中は90年代の9割より下がった。日程の分散化が進む一方、野村ホールディングス(HD)やANAHDは出席者が前年より1~2割ほど減った。
最近の傾向では、総会のお土産が姿を消しつつある。「豪華客船『飛鳥Ⅱ』のハンカチ」(日本郵船)、「ロケットや航空機が描かれた扇子」(三菱重工業)などが、今年の総会から廃止されている。
三菱UFJ信託銀行によると、お土産の配布を予定していないことを招集通知に明記した企業は、東レや三井不動産など前年比62社増の257社。各社は「出席した株主にしか配れず、不平等」などと説明する。ただ、反対意見も強く、今年から廃止した三菱UFJFGの株主総会では「お土産がなくなってがっかりした」との声もあがった。
一方、この日は海外子会社の不…