3日、韓国の大統領府で会談した文在寅大統領(右)と国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長(東亜日報提供)
韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領は3日、訪韓中の国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長と会談し、来年2月の平昌五輪について「(南北)分断で傷ついた国民に癒やしを与える、平和の五輪になることを期待する」と述べ、北朝鮮の参加実現に向けた協力を要請した。バッハ氏は「五輪の精神に合致する道だ」と応じ、協力を約束した。
文氏は、6月30日のトランプ米大統領との首脳会談に言及し、「(トランプ氏から)南北平和構築での韓国の主導的役割と人道分野の対話について支持を得たので、(北朝鮮との)スポーツ分野の交流を強化できるようになった」と説明。今月上旬、ドイツで開催を調整している中国の習近平(シー・チンピン)国家主席との会談でも、北朝鮮の参加に向けて協力を求めると明かした。
ドイツ出身のバッハ氏は「ドイツ人として分断国家の苦痛をよく理解している。朝鮮半島の和解と平和のための大統領の努力を支援し、同伴者になる」と述べ、賛意を表明した。
北朝鮮が平昌五輪に参加するには、まず国際大会に出場して五輪参加資格を得なければならないが、現段階で参加資格を満たした選手はいない。北朝鮮政府も、平昌五輪の参加・不参加については立場を明らかにしていない。
一方、文氏はこの日、国際会議出席のために訪韓したオバマ前米大統領とも会談した。北朝鮮への圧力と対話模索を並行する自らの政策について「今回は北が対話のドアに向かう最後の機会になるだろう」と述べた。(ソウル=武田肇)