九州北部の豪雨を受け、政府は6日朝、首相官邸で関係閣僚会議を開き、被害状況の把握や人命救助に全力であたることを確認した。福岡、大分両県に自衛隊員約1600人を派遣するなど、警察、消防を含めて約7800人態勢で救助活動にあたっている。
会議では、欧州歴訪中の安倍晋三首相に代わり、麻生太郎副総理兼財務相が「河川の氾濫(はんらん)、土砂災害はこれからも発生が予想される。数多くの安否の不明者がいる。事態は極めて深刻な状況にある」と述べ、「被害者の救命・救助、住民の避難対策など、被害の拡大防止に全力を尽くしてもらいたい」と指示した。
菅義偉官房長官は同日午前の記者会見で、土砂の崩落などで道路が遮断されて孤立していた福岡県東峰村について、「自衛隊部隊が村役場に到達した」と説明。救助や復旧にあたっていることを明らかにした。天候が悪くて待機していた四十数機のヘリコプターのうち、6機程度は飛行を始めたという。今後は自衛隊員を最大で約5千人に、自衛隊のヘリコプターを50機態勢に拡充する方針を明らかにした。また、内閣府の松本洋平副大臣を団長とする調査団を福岡県へ、長坂康正政務官を団長とする調査団を大分県へ、同日中に派遣する方針も示した。被災自治体との連絡調整にあたる。