
エルサレム旧市街で27日、イスラム教の聖地敷地内で約2週間ぶりの礼拝に向かうイスラム教徒=渡辺丘撮影



エルサレム旧市街のイスラム教聖地「ハラム・シャリーフ」(ユダヤ教で「神殿の丘」)で27日、イスラム教徒が約2週間ぶりに敷地内で礼拝を再開した。イスラエル当局が聖地付近で起きた銃撃事件後に設置した警備機器をすべて撤去したためだが、同日もイスラエル治安部隊との衝突があり、パレスチナ側の集計では100人超が負傷した。
27日夕(日本時間深夜)、多数のイスラム教徒が、イスラエル当局が門の一部を閉鎖したとして抗議。その後、歓声を上げて聖地内に押し寄せた。治安部隊との小競り合いも起き、催涙ガスやゴム弾などによるとみられる負傷者が搬送された。金曜礼拝がある28日、治安当局は部隊を増強して厳戒態勢をとる。
パレスチナ人のタクシー運転手ユセフさん(43)は「今日はとても幸せ。我々の勝利だ」。一方、旧市街の聖地近くに住むバドリーエさん(68)は「イスラエルの占領は続き、我々の聖地に入り込んでくるのは変わらない」と話した。(エルサレム=渡辺丘)