在日米軍再編に伴う厚木基地(神奈川県)から岩国基地(山口県岩国市)への米空母艦載機部隊の移駐が9日、始まった。第1陣の早期警戒機E2Dが岩国基地に飛来した。来年5月までに段階的に計61機が移駐する。岩国基地は米軍機約130機、米軍関係者約1万人を抱える極東最大級の航空基地になる見通しだ。
9日午後0時10分過ぎ、米空母ロナルド・レーガンに搭載されている5機のうち4機のE2Dが次々と岩国基地に着陸し、真新しい格納庫に向かった。残る1機も同日中に岩国に飛来する見込み。防衛省の説明では今後、戦闘攻撃機の2部隊が11月ごろと来年5月ごろ、電子戦機の1部隊と輸送機の1部隊が来年1月ごろに移駐する計画だ。
岩国基地では2010年に、軍用機による危険性や騒音対策として滑走路が沖合1キロに移設された。再編計画は騒音被害が約300万人(神奈川県推計)とされる厚木基地周辺の騒音被害を軽減する狙いもある。
一方、岩国基地の周辺住民らが騒音被害を訴えた「岩国爆音訴訟」で山口地裁岩国支部は15年10月、沖合移設後も違法な騒音状態が続いていると断じた。艦載機移駐についても「騒音が高まることが推認される」と指摘している。(二宮俊彦)