ムツゴロウのギョーザ(佐賀県提供)
有明海の「珍魚」たちがギョーザに――。佐賀県と、「日本で最も予約が取りにくい」とされる会員制餃子(ぎょうざ)レストラン「蔓餃苑(まんぎょえん)」(東京・荻窪)がコラボし、同店で有明海の魚介類を使ったギョーザを提供している。「珍魚苑」と銘打った催しの8月開催分には定員の20倍を超す応募があった。17日から9月分の募集が始まる。
県のPR事業「サガプライズ!」の一環。食材は有明海の珍魚の代表格ムツゴロウや、「有明海のエイリアン」の異名があるワラスボ、シタビラメの仲間で「靴の底」に似た形のクチゾコなど7種類で、地元漁協から仕入れる。
ムツゴロウは素焼きにして皮に包み、やはり地元特産の「がん漬け」(カニを殻ごとすり潰した塩辛)とマヨネーズを合わせたソースで食べる。ワラスボは身をほぐして皮に包み、インパクトのある頭も添えた。
企画のきっかけは、若い女性の間でのギョーザブームだ。自身もギョーザ好きという県広報広聴課の中島いずみさん(31)が発案。「普通のギョーザでは宇都宮や浜松といった『ご当地』には勝てない。やっぱり『佐賀ならでは』がよいと思って」珍魚を使うアイデアを思いつき、猛プッシュ。蔓餃苑を手がけるパラダイス山元さん(54)に県側が打診し、実現した。
募集の第1弾では、30人の定員に対して全国から656人の応募があった。「偶然にも656(ムツゴロウ)だったのでびっくり」と中島さん。肝心の反応については「みなさんおそるおそる口にしていましたが、おいしいと言ってもらえました」と手応えを感じている。
9月からの第2弾は今月17~23日で募集し、定員は70人あまり。特設サイト(
https://sagaprise.jp/chingyo/
)から申し込み、抽選で決まる。料理7種類と佐賀の地酒などの飲み放題付きで1人2万円。9月1~22日に不定期で開催する。「地元ですら食べられることが少ない有明海の貴重な資源を楽しんで」と中島さん。問い合わせはサガプライズ! 担当(03・3409・7747)。(浜田祥太郎)