ネットで世界とつながれるといくら語られても、やりとりが増えたのは「内輪」だ
この関係って友達? 恋人? 多くの人に経験がある曖昧(あいまい)でどこか魅力的な「つながり」。その境界はいまどうなっているのか。
「明日、空いてる?」。神奈川県の女子大学生(19)のLINEには月数回、男友達からこんなメッセージが入る。待ち合わせはだいたい午後10時過ぎ。食事をして店を出る頃には終電の時間は過ぎ、朝まで男性とホテルで過ごす。恋人は別にいる。セフレ(セックスフレンド)ですか?
「セックスが目的じゃないから、どうなのかな。単純にイケメンとご飯食べてしゃべるのって楽しいじゃないですか。まあ、アガる友達というか……。でも一番大事なのは地元の友達。関係を壊したくないから絶対寝ません。次が恋人、その次がそういう友達かな」
近頃は添い寝をするだけの「ソフレ」、カップル行事を楽しむことなどを目的に恋人同士のように振る舞う(カムフラージュする)「カモフレ」など様々な言葉が誕生。恋人と友達の境界に揺らぎを見つけるたび、私たちは「普通じゃない」と驚いてみせる。
その「普通」の前提にあるのが「ロマンチックラブ」だ、と『戦う姫、働く少女』の著者河野真太郎・一橋大准教授(英文学)は言う。男女の親密な関係の先には恋愛、そして結婚があるという考え方。おとぎ話では「そして2人は幸せに暮らしましたとさ」と締めくくられ、幸せな関係が永遠に続くことが示唆される。
その愛のかたちは18~19世…