名古屋市教育委員会は19日の市議会本会議で、市立若宮商業高校(天白区)の閉校を撤回すると表明した。2022年3月末に閉校する方針を示していたが、在校生や教員、卒業生らが反発。河村たかし市長が市教委に撤回も含めた再検討を指示していた。
杉崎正美教育長は答弁で「市民との相互理解や共通認識を図る努力が不足していた」と説明不足を認めた。その上で、「市立高校全体の将来像について、いったん立ち止まり、改めて丁寧に議論する」と述べ、閉校方針を白紙に戻すことを表明した。服部慎之助氏(自民)の質問に答えた。
市教委が8月末に市議会に示した案では、若宮商業は20年春に募集を停止し、22年3月末で閉校させる方針だった。少子化による生徒数減少や商業科の人気が低いことなどを理由に挙げたが、同校は定員割れをしておらず、学校関係者や議会から反発が出ていた。
河村氏は議会後、記者団に、同校関係者の意見を尊重した上で、市立高校再編の計画案を練り直す方針を表明。「どういうふうに改革させてもらったらいいか聞いていく。改革の必要性は丁寧に言う」と話した。(関謙次)