自民党の萩生田光一幹事長代行は19日のNHKの討論番組で、国会のあり方について「(来年の)通常国会で、与野党が腰を据えて話し合いをする機会をつくってもらいたい」と語った。野党の質問時間を削って与党の時間を増やしたり、首相や閣僚の国会出席の機会を減らしたりする狙いがある。野党各党からは質問時間配分の見直しに反発の声が上がった。
萩生田氏は、政府提出法案の事前審査を行う与党に質問はいらないという指摘があることを念頭に、「党内議論の議事録は公になっていない。与党でもどういう議論があったのか、一定程度の時間は確保させてもらい、(国会の)議事録に残しておきたい」と与党質問の必要性を訴えた。さらに、首相や大臣の国会出席を副大臣らに肩代わりさせ、海外出張の時間を確保するといった改革案にも言及した。
国政全般を議論する衆院予算委員会の質問時間の配分は「与党2対野党8」が慣例になっている。こうした配分の変更について、民進党の増子輝彦幹事長は「野党の質問の排除だ」、共産党の小池晃書記局長は「野党に十分な配慮をするのは議院内閣制の根本。そのルールを壊すのは許されない」と批判。
立憲民主党の福山哲郎幹事長は「自民党が審議したいなら、その4倍(の時間を)野党に頂ければいい」と語り、野党分の削減ではなく、審議時間全体を増やして調整するよう求めた。
希望の党の古川元久幹事長は「安倍晋三首相が審議を逃げようとしているんじゃないか、と疑念を持たれている」と指摘したうえで、「従来の与党2、野党8(の配分)の中でやって、その上で国会改革の議論をしたらいい」と注文を付けた。