スピードスケート500m種目の滑走コース
今季のスピードスケートは10月の全日本距離別選手権(長野)で幕を開ける。最速を決める男女500メートル種目は平昌(ピョンチャン)五輪も今大会も一発勝負で行われる。インレーンスタートとアウトレーンスタートで有利、不利はないのだろうか。
■テクニックに違いが
500メートルは400メートルトラックを1と4分の1周する間に、約113メートルの直線(長野エムウェーブ)を3回、カーブを2回滑る。違いはこのカーブにある。
インスタートは第1カーブで半径26メートルの内周を滑り、アウトスタートは同30メートルの外周を滑る。第2カーブは内と外が入れ替わる。総滑走距離に差はないが、日本スケート連盟の湯田淳スピード強化部長は「第1カーブは加速する中でブレード(刃)を傾けなければならず、第2カーブは最高速度に近い速さで回り切らなければならない」と説明する。個人差はあるが、両カーブともにインレーン攻略は簡単ではないという。
実際にカーブではどれほどの速度が出ているのか。同連盟の分析では、昨季ワールドカップ長野大会に出場した33秒98の男子世界記録保持者、クリズニコフ(ロシア)は、最初の100メートルを9秒87で通過した後、時速約50キロでインレーンの第1カーブに突入。直線中盤の250メートル付近で最速約60キロに到達し、それに近い速さでアウトの第2カーブに入った。
この速度での遠心力は体重70…