北朝鮮の制裁被害調査委員会は29日、米国が北朝鮮に科した独自制裁について「平和的な生存権を無差別に侵害する野蛮な犯罪行為だ」と批判する報道官談話を発表した。今後制裁で生じた物質的、道徳的被害を徹底調査し、対価を求めると主張している。
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北朝鮮が国連安全保障理事会の経済制裁を含む各種制裁で生じる「被害」を全国調査する委員会を組織したことは、李容浩(リヨンホ)外相が23日、国連総会の一般討論演説で明らかにしていたが、活動が確認されたのは初めて。
報道官は談話で、米国が北朝鮮と取引した第三国の金融機関を米国の金融システムから締め出すことなどを念頭に、「極悪な犯罪であり、我が国の発展と人民生活に与える被害と損失は莫大(ばくだい)だ」と指摘。その上で「半世紀以上にわたる制裁の中で名実共に核強国の地位を獲得した我々が、制裁に揺れる可能性があると考えるのは愚かだ」と主張した。(ソウル=武田肇)