八回1死までソフトバンクを無安打に抑えたDeNA先発の浜口=林敏行撮影
(1日、日本シリーズ第4戦 DeNA6―0ソフトバンク)
特集:ベイ19年ぶり日本シリーズ
重厚ソフトバンク打線、12球団一の破壊力 注目選手は
プロ野球スコア速報
DeNAの新人・浜口(神奈川大)は全神経を集中させた。柳田を封じる。ソフトバンクには第3戦まで3戦連続初回失点。魔のイニングはすべて、その1番打者が起点となった。
「とにかく(バットを)振ってくる。僕も腕を強く振ろうと意識した」。初球から6球続けて内角を突いた。柳田がよろけて腰を引いても気にしない。強打者に内を意識させ、最後は外角への145キロの力勝負で二ゴロに仕留めた。
これで勢いに乗った。力強い直球を見せることで、遅い変化球がより生きる。とくにチームメートが「お化け」とも「止まる」とも表現する得意のチェンジアップが効いた。八回1死で代打の鶴岡に二塁打されるまで、1安打も許さない快投をやってのけた。
挑む気持ちがパフォーマンスをさらに高めた。佐賀の実家のテレビでは、いつもソフトバンクの野球中継が流れていた。「当時から和田さんや杉内さんが投げていた。僕も左腕なんで、よく見て勉強していました」。憧れの和田に「胸を借りたい」と臨んだ大舞台だった。
八回に2本の長短打で2死一、三塁のピンチを招いて降板。観客が総立ちで好投をたたえたが、表情は悔しそうだった。「(八回は)浮いた球を打たれたので、あれがなければもっと投げられたと思って」
敗れれば、今季が終わってしまう崖っぷちの状況。173センチの体を目いっぱいに使った投球フォームで緩急自在に投げ分け、チームの望みをつないだ。ラミレス監督は「ルーキーには見えない投球だった」と絶賛。若い力で一矢報い、DeNAが反転攻勢に出る。(波戸健一)
○ラミレス監督(D) 「浜口は素晴らしいのひと言に尽きる。打線も宮崎の本塁打で勢いが来た。この勢いのまま明日も勝利を味わいたい」
●工藤監督(ソ) 「(初対戦だった浜口は)立ち上がりに硬さもあったが、うまくやられてしまった。うまくいかない時もあります」