四回裏DeNA2死二塁、筒香は中越えに逆転本塁打を放つ=林敏行撮影
(2日、日本シリーズ第5戦 DeNA5―4ソフトバンク)
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4番打者とは――。
DeNAの筒香は、かつてこう語っていた。
「みんながここで打ってほしいと思っている時に、結果を出す打者。4番打者は、信頼されなきゃいけないんです」
それを試される時がやって来た。1点を追う四回2死二塁。チームが初めて作った好機で、背番号25が左打席に立った。
青色に染まった観客席からは「Go!Go!筒香!」の大声援。1球ごとにボルテージが上がった。そして、3球目。4年連続で20発以上の本塁打を放っている25歳は、バンデンハークの153キロに力負けしない。「自分のスイングでうまく押し込むことができた」と、高々と上がった打球は地元の風にも後押しされ、もうひと伸び。バックスクリーン左へ、日本シリーズ初本塁打が飛び込んだ。
直後の五回に3点を奪われて再びリードされたが、一度火の付いた主砲の勢いは止まらない。
六回。1死一、二塁で、代わったばかりの左腕モイネロから中堅フェンス直撃の適時二塁打。これで1点差に迫って流れを引き戻すと、打線がつながり、再び試合をひっくり返した。筒香はいう。「みんながつないでくれたので、僕もつなぐ気持ち。全員野球です」
主将としての役割も忘れない。3連敗した後、みんなが浮足立っていると感じた。「いつも通りの俺たちの野球をやろう。野球を楽しもう」。円陣の真ん中で声を張り上げた。そこからチームは2連勝。もう1敗もできない崖っぷちに立たされているDeNAには、頼もしい4番のリーダーがいる。(山口裕起)