祭り会場内には村民らによる「ゾンビ」が現れ、来場者との記念撮影に応じた=小菅村
山梨県小菅村が突然「ゾンビ村コスゲ」に――。村民らがゾンビに扮する「ゾンビ屋敷」が4日、村内に一日限定でオープンした。村恒例の「大地の恵みまつり」の一環。一般向けの仮装コーナーも設けられ、会場は老若男女さまざまな「ゾンビ」であふれた。
ゾンビ屋敷は温泉施設「小菅の湯」を使い、4~78歳の村民約50人がゾンビに扮した。会場やメイクはプロが監修し、演技指導を受けた「村民ゾンビ」が来場者を次々と驚かせた。家族3人で東京都台東区からきた野口奏太君(5)は「怖かったけど面白かった」と笑顔。あまりの怖さに途中で泣き出す子どももいた。
きっかけは、村が先月公開した動画「小菅村オブザデッド【実況】」だ。移住定住をPRしようと、若者に人気の実況風動画を作成した。村民がゾンビを演じ、主人公がゾンビと戦いながら村を発展させるという内容だ。村によると、動画の反響が大きかったため、ゾンビ屋敷を催すことに決まったという。
「ゾンビに注目したのは子どもや学生にも出演してもらうためでした」。発案者の一人、村源流の村づくり推進室の青柳慶一さん(28)はこう明かす。村の教育環境の良さをPRするために中学生を撮影したかったがプライバシーの問題があった。「そこで注目したのが、メイクで顔を隠すことができる『ゾンビ』でした」
動画は4日までに5万回以上の閲覧数を記録。動画にも登場する舩木直美村長は「話題になり大成功。これを機に村に興味を持ってもらえれば」と期待した。(黒石直樹)