場所前の稽古で汗を流す稀勢の里
大相撲九州場所が12日に福岡国際センターで初日を迎える。1年の納めに、横綱稀勢の里は再び強い姿を見せられるか。
相撲特集:どすこいタイムズ
■稽古で嘉風らを圧倒
初、春と連覇した後、3場所連続で休場。それでも春場所で痛めた左腕は、少しずつ使えるようになってきた。場所前にあった二所ノ関一門の連合稽古では動きのある嘉風らを圧倒。状態が上向いてきたことで弟弟子の大関高安との稽古を久しぶりに再開し、番数をこなせたのも好材料だ。
初日に当たる玉鷲とは過去、不戦敗を除けば9戦全勝。2日目の阿武咲は初対戦だが、ともに小細工はなく、稀勢の里から見ればくみしやすい相手。復活を印象づけるために、連勝で滑り出したいところ。
■V争いの軸は
優勝争いの中心はやはり白鵬。秋場所は左ひざ痛で調整が間に合わなかったが、九州に向け時間をかけて稽古できた。出稽古を終えた今月9日には「(初日が)明日でも行けそうな感じ」と、充実ぶりを口にしている。先場所優勝の横綱日馬富士は今年計47勝(20敗8休)で幕内トップにおり、自身初の年間最多勝が視野に入る。
■注目は阿武咲
上位を脅かしそうなのは、新入幕から3場所連続2桁勝利で新小結に昇進した21歳の阿武咲。師匠の阿武松親方(元関脇益荒雄)が新小結場所で2横綱、4大関を倒した「旋風」の再現を狙う。中学時代に少年相撲の国際大会・白鵬杯で優勝した経験があり、思い入れの深い白鵬との初対戦も注目だ。
人気力士の宇良は休場が決まったが、関取最年長39歳の安美錦が1年4カ月ぶりに幕内の土俵に帰ってくる。