北朝鮮の朝鮮中央通信は18日、中国共産党の習近平(シーチンピン)総書記(国家主席)の特使として訪朝した宋濤・党対外連絡部長が17日に平壌の万寿台議事堂で崔竜海(チェリョンヘ)・朝鮮労働党副委員長と会談したことを報じた。中国共産党対外連絡部も17日付で両氏が「中朝関係を前向きに発展させる」ことで一致したと発表した。
崔氏は党中央軍事委員を兼務し、金正恩(キムジョンウン)・党委員長の側近の1人。朝鮮中央通信によると、宋氏は中国共産党大会について具体的に報告し、「両党と両国間の伝統的な親善関係を引き続き発展させていくのが党の立場だ」と強調。正恩氏への贈り物を崔氏に託したという。同通信は崔氏の発言には触れなかった。
中国側の発表によると、両氏は「中朝の伝統的な友好関係は過去の指導者らが築き、育ててきたものであり、両国人民の宝だ」と確認した。北朝鮮の核・ミサイル問題をめぐり険悪化した両国関係を改善させる意図をにじませた可能性がある。会談で崔氏は習指導部の2期目の発足に祝意を示し、「中国の特色ある社会主義の偉大な勝利に向けて大きな成果を得られることを信じる」と言及したとした。
宋氏は滞在中、正恩氏とも会う可能性がある。ただ、北朝鮮の国営メディアが16日に「米国の敵視政策が破棄されない限り、自衛的な核の宝剣は強化される」と伝えて「核武力」の完成をめざす意思を強調しており、核・ミサイル開発をめぐる踏み込んだ議論ができるかどうか不透明だ。(北京=延与光貞、ソウル=武田肇)