涙を流しながら、同じRBの選手たちに語りかける立命大の西村七斗=大阪・万博記念競技場
2017年12月3日、日本中で最も悔しい思いをしたのが、立命館大アメリカンフットボール部「パンサーズ」の面々ではないかと思う。11月19日の関西学生リーグ最終戦でライバルの関西学院大に21―7で勝って2年ぶりの関西王者となったが、この日の全日本大学選手権・西日本代表決定戦で3―34と見事なまでにリベンジされ、甲子園ボウル出場は夢と消えた。
甲子園ボウル出場校を決めるトーナメントに関西2位校も組み込まれるようになったのが昨年のこと。立命はリーグ戦、西日本代表決定戦ともに関学に負けた。そして今年は肝心の2戦目を落とした。米倉輝監督(46)は「選手はよく頑張りました。一度勝った相手にこの点差で負けたんですから、これは僕だけの責任です」と語った。リーグ戦で立命らしい奔放な戦いぶりを見せて関学を下し、そこからの2週間も入念に準備した。しかし、関学の準備と気迫が立命の上をいっていた。すぐそこに見えていた甲子園ボウル出場がなくなり、選手たちは泣いた。
2年前のシーズン、立命は関学のリーグ6連覇を阻んだ。その立役者が当時2年生でリーグ戦7試合で900ヤードを走ったRB西村七斗(ななと、4年、大阪産大付)だった。攻撃のメンバーでは七斗と同学年のQB西山雄斗(立命館宇治)とWR近江克仁(同)も常時出場。私は、この3人がいる間は立命の天下じゃないかと思った。しかし甘くはない。昨年は関学に2戦2敗。近江が主将、西山が副将になって迎えた今年は、5月の早大戦で七斗が負傷。戦列復帰は秋のリーグ戦終盤までずれ込んだ。
高校からアメフトを始めて7年目で初めての大けがだ。さぞかし落ち込んだのだろうと何度も当時の思いを尋ねたが、七斗は「病院に行ったら秋には復帰できるって言われたんで、そんなに落ちこまなかったっす」としか言わない。ただ近江は毎日のように七斗と一緒に晩ごはんを食べ、語り合ってきた。西山は中学時代からのコンビである近江にロングパスを通し、勝利を重ねてきた。
そして二度目の関学戦。開始6…