貴乃花親方(11月30日撮影)
大相撲の元横綱日馬富士が傷害容疑で鳥取県警から書類送検された11日、日本相撲協会の八角理事長(元横綱北勝海)は、被害者である幕内貴ノ岩側に危機管理委員会(委員長=高野利雄・元名古屋高検検事長)による聴取の日程を伝えたことを明らかにした。貴ノ岩の師匠の貴乃花親方(元横綱)が応じるのか、協会内には疑問視する声も根強いが、危機管理委は予定通り、20日に調査の最終報告をまとめる方針だ。
貴乃花部屋、協会幹部を門前払い 「次回からFAXで」
書類送検を受けたこの日昼、鏡山危機管理部長(元関脇多賀竜)は、貴乃花部屋(東京都江東区)を訪ねた。今月に入り再三訪問しているが、今回も貴乃花親方とは会えず、女性スタッフがインターホン越しに「次回からはファクスをお使い下さい」。冬巡業を休んでいる貴ノ岩の診断書の提出と、危機管理委への協力を求める文書を郵便受けに入れて引き揚げた。夕方、八角理事長は報道陣に「(聴取の)日にちは伝えた」と話した。
暴行現場に同席した力士のうち、危機管理委が聞き取りをできていないのは貴ノ岩のみ。貴乃花親方が協力を拒否してきたが、危機管理委は11月30日の理事会の場で、警察の捜査が終わった後なら聴取を受けるとの約束を取り付けた、と説明していた。
現状、貴ノ岩とは相変わらず接触できず、所在も分からない。しかし危機管理委の調査は最終段階に入っており、ある関係者は、仮に貴ノ岩側への聴取ができない場合でも、調査結果を20日までにまとめるとの認識を示している。
20日は臨時の横綱審議委員会と理事会が予定され、この場で日馬富士の師匠である伊勢ケ浜親方(元横綱旭富士)の監督責任や、貴乃花親方の理事・巡業部長としての一連の対応の責任も問われる見込みだ。また、日馬富士はすでに引退しているため懲戒処分は科せないが、今後の指標とするためにどの程度の処分が妥当かを決める。