和歌山・奈良県境に向かう途中、「死亡事故多発」、「凍結注意」などと書いた看板が並んでいた=昨年12月5日午後1時30分、和歌山県田辺市龍神村、加藤諒撮影
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「国道」と聞けば、きれいに整備された広い道が思い浮かぶ。ところが、「酷道(こくどう)」と揶揄(やゆ)される道があるという。道幅が狭くて険しい道を指すようだが、あまりに酷(ひど)い例えではないか。
一体、どんな道なのか。インターネット上で指摘されている「日本三大酷道」の一つ、国道425号を走ってみた。
特集「酷道」をいく
国道に魅せられて…32万キロ走破、愛好家が語るロマン
【動画】国道425号を走る
迫る崖、回り道も…
レンタカーのハンドルを手に「酷道」を走る井上記者。目の前を横切る動物や、道の真ん中に思わぬトラブルも。
カーナビも「避ける」道
「壮絶すぎる」「最凶」「心が折れそう」……。ネットで検索すると、こんな表現で例えられている。和歌山県御坊市と三重県尾鷲市を結ぶ国道425号。「425」にかけた「シニゴー」との不吉な言葉まで出てきた。
国道425号の看板=昨年12月5日、和歌山県印南町、加藤諒撮影
多少の不安を抱えながら、昨年12月上旬のある晴れた日、同僚のカメラマンとともに和歌山県御坊市を出発した。
早速、レンタカーのカーナビで三重県尾鷲市を目的地に設定する。だが、ルート探索で国道425号が出てこない。地図上は、紀伊半島を横切るこの道が最短に見えるが、高速道路を使って北側を大きく回るルートか、南側を回って別の国道を走るルートしか示されない。カーナビは「酷道」を避けている。
【地図】記者が走った「酷道」こと、国道425号
地図を見ながら、和歌山県御坊市内の国道42号から国道425号に入った。道路わきに川が流れ、田んぼが広がるのどかな風景。気持ちが休まる。道は片側1車線だが、きれいに舗装されている。車の通行量は減り、ゆったりとドライブを楽しむことができる。
ところが、隣町の印南(いなみ)町に入ると間もなく、「落石注意」「大型車通行不能」といった看板が道路わきに現れた。次第に民家が少なくなり、ガソリンスタンド跡なども目に入ってきた。すれ違う車はほとんどない。徐々に不安が頭をもたげてきた。
冷や汗の「酷道」ドライブ
「酷道」をひた走る井上裕一記者と加藤諒カメラマン。このあと「死亡事故多発」の看板にヒヤヒヤしながら慎重に車を進めます。道中には思わぬ障害物も。
■迂回を促す看…