マリアム・ナバタンジさん(前列中央)と子どもたち。38人おり、写っていない子どもたちは買い物や薪拾いに出ていた=17年10月15日、ウガンダ・カビンビリ近郊、石原孝撮影
アフリカ大陸の人口が急増している。全54カ国の人口約12億5600万人は、国連の推計で2050年には倍増して約25億人となり、世界全体の4人に1人を占める見通しだ。6割を若年層が占め、世界各国の企業は経済成長と市場拡大を期待する。一方、貧困の撲滅や食料の確保など、一人ひとりの暮らしの問題の解決も待ったなしだ。(ラゴス=石原孝)
約1億9千万人と大陸最大の人口を誇るナイジェリア。昨年11月、最大都市ラゴス中心部の市場を訪れると、大勢の人々でごった返し、熱気があふれていた。洋服や干物を売る商売人の声が飛び交い、車のクラクションが鳴り響く。牛が通行人の女性に頭突きをするなど混沌(こんとん)とした雰囲気だ。
装飾品店で働くケシーさん(30)は「商売繁盛。もっと売り上げを伸ばしたい」。布屋を経営するケートさん(50)は「今より景気の良かった数年前は歩くのも難しかったよ」と笑う。地元誌の記者は「毎日100万人以上がこの市場を行き交う」と評した。
ナイジェリアの人口は2050年までに4億人に増えて米国を抜き、中国、インドに次いで世界で3番目に人口が多い国になるとみられている。2100年には8億人近くに増えるとも推測されている。
21世紀に入って大きく経済成長したこの国の人口増に、世界各国の企業が熱い視線を送る。昨年11月にラゴスで開かれた国際見本市には、大手の自動車メーカーや食品関連企業がこぞって出展。日本企業も20社以上がブースを構えた。
バイクの新モデルを披露したホンダ現地法人社長の室岡克博さん(53)は「ナイジェリアでは中国やインドのメーカーとの競争が激しい。ただ、人口増で巨大マーケットに成長することを考えれば、ここに来るしかない」と断言する。
サントリー食品インターナショナルの現地法人社長のチネドン・オケレケさんは「経済が石油に依存する構造になっているなど不安要素もあるが、さらに発展する可能性を持っているのは間違いない」とみる。
国際見本市を主催したラゴス商工会議所のショラ・オイエタヨ副会頭は「ナイジェリアは資源も豊富で、何より優秀な若い人が大勢いる。この国の未来は明るい」と太鼓判を押した。
■「40人以上子ども…